阪神・淡路大震災を体験した者は、東日本大震災後に起こる問題をおおよそ予測できたが、政府はそれを防げなかった。なぜなのか、という点が本研究の問題意識であり、それを解決するために「時系列災害情報」を作ることを目的とし、東北にて被災体験(物語)の収集を重ねた。見えて来たのは、「ロジスティクス」と「レジリアンス」が日本には欠けているという事実であった。一方その後大災害のあったフィリピン(台風ハイアン)、ネパール(大地震)は、ロジスティクスとレジリアンスの先進事例であったため、250世帯以上を対象に詳細な構造化インタビュー調査を行った。それは日本の問題を解決するための貴重なデータとなっている。
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