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2013 年度 実施状況報告書

「力と運動」教育方法の抜本的改善のための因果推論理論

研究課題

研究課題/領域番号 25540162
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

溝口 理一郎  北陸先端科学技術大学院大学, サービスサイエンス研究センター, 教授 (20116106)

研究分担者 堀口 知也  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (00294257)
平嶋 宗  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10238355)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード力と運動の因果推論 / 作用と反作用 / 場の力の理論
研究概要

本研究では,人間の素朴な因果推論(因果理解)に沿って一貫性のある思考で,中学,高校で学ぶべき力と運動の諸現象を理解,説明できるように指導する教育の基礎となる力と運動の因果理論を構築し,生徒の誤解が格段に減少する教育支援方法とシステム,並びに因果的説明能力を持つ汎用運動シミュレータを構築するための基盤技術を開発することを目的としている.
平成25年度は計画通り,新しい因果理論を構築することに成功した.中心となる理論的貢献は,作用と反作用の間に因果を導入したことにある.それに伴っていくつかの公理的な前提を導入することによって,事前に想定していた(1)壁を押す場合(絶対に動かない)(2)スケートをはいて押す場合, (3)水中でブロックを動かす場合, (4)綱引きの場合, (5)電車内の加速度場,(6)カーブする電車, (7)回転する円盤の場合全てについて,一貫した因果推論が実行可能であることを示した.
更に,この成果に則り,因果推論シミュレータを試験的に実装し,理論の正当性を別の角度からも検証した.成果を接触力の場合と遠隔力の場合の二つに分けて論文を執筆した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論は予想以上に進展し,当初は一つの論文にまとめる予定であったが,二つの論文を執筆することが必要になるほどの成果が得られた.第一論文は作用と反作用に因果関係を導入することによって,「押したから動いた」という素朴な因果理解を活かして行う素朴因果推論理論の構築であった.ところが,その論文を仕上げる過程において,更に一般化した「力の場の理論」を構築可能であることに気づき,急遽検討を深めて,更に新しい力と運動の理論を構築することができた.この点においては計画を上回る成果と言える.この結果は,第一論文が「接触力」に関する理論であり,第2論文が非接触力(遠隔力)に関する理論であると言う点において,力と運動に関する包括的な理論と言うことができる.しかし,理論に則った教育のシナリオ作成は少し遅れ気味であるので,おおむね順調と評価した.

今後の研究の推進方策

平成26年度は新しい教育のシナリオの作成に注力する.そして,実際に生徒の指導を行って,従来の学校教育法より効果があることを実証する.また,計画通りにシミュレータを完成さて,因果的な説明の自動生成機能を完成させる.
得られた成果を日本の学会論文誌と英国の学会の論文誌に合計4編投稿したが,4編とも不採録となった.我々の理論は画期的な理論であるので,この結果は予期していたことではあるが非常に残念である.そこで,計画になかったことではあるが,理論が依って立つオントロジーにまで踏み込んで,構築した因果推論理論を根本から補強して,我々の理論が間違っていないことを示す予定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Newtonian Forces and Causation: A Dispositional Account2014

    • 著者名/発表者名
      Adrien Barton, Robert Rovetto and Riichiro Mizoguchi
    • 学会等名
      8th International Conference on Formal Ontology in Information Systems (FOIS 2014)
    • 発表場所
      Rio de Janeiro, Brazil
    • 年月日
      20140922-20140925

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公開日: 2015-05-28  

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