RWC 研究用音楽データベースの「ポピュラー音楽」から選択された 200 の楽曲ペアに関して 27 名の被験者が類似度を評価した.全体的な類似度とは別に,メロディ,テンポ・リズム,声質,楽器構成についての類似度も収集した.回答結果の分析から,「似ている/似ていない」の判断境界が個人毎に大きくばらつくことが示唆された.個人に最適化された楽曲間距離関数(重み付けユークリッド距離)を学習することで個人毎に主観的な楽曲間類似度を推定する実験を行った.その結果,距離関数の学習によって「声質」に関する類似性推定の精度が向上したことから,重み付けユークリッド距離を用いた個人適応の効果が明らかになった.
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