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2013 年度 実施状況報告書

海洋溶存有機物中からの古細菌由来成分検出の試み

研究課題

研究課題/領域番号 25550001
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関北海道大学

研究代表者

山下 洋平  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (50432224)

研究分担者 山本 正伸  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (60332475)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード生物地球化学 / 海洋炭素循環 / 溶存有機物
研究概要

海洋には溶存有機物が普遍的に存在し、その存在量は全海洋で662 PgCと大気中の二酸化炭素量に匹敵する。故に、海洋溶存有機物プールの消長が地球表層炭素循環に及ぼす影響は量的に重要である事が考えられるが、そのプールが現時点において定常状態であるか、非定常状態であるかは分かっていない。海洋溶存有機物の90%は難分解性成分により構成されるため、難分解性成分が海洋溶存有機物プールの消長を決定する。従って、難分解性溶存有機物の生成・維持機構に関する知見の集積は急務の課題である。
1995年に海洋細菌の細胞膜構成成分が海洋溶存有機物中に普遍的に存在する事が明らかにされ、更に、海洋細菌による難分解性溶存有機物生成が実験的および観測的に示された。これらの研究成果を基に海洋細菌が難分解性溶存有機物を生成し、海洋内部に長期間炭素を隔離する概念として、微生物炭素ポンプが提唱され、その詳細な機構の解明を目的に多くの研究が行われ始めている。一方、近年、海洋には普遍的に古細菌が存在し、その存在数は海洋細菌と同等である事が明らかとなった。すなわち、海洋細菌由来難分解性成分と同様に古細菌由来の難分解性成分が海洋溶存有機物中に普遍的に存在する可能性がある。しかし、現在のところ、古細菌由来の溶存有機物は検出されていない。
そこで、本申請研究では、溶存有機物中から古細菌特有の細胞膜構成脂質であるグリセロール・ジアルキル・グリセロール・テトラエーテル(GDGTs)を検出する事を目的とした。
初年度は、北太平洋の表層から深層において採取・濃縮した溶存有機物試料からのGDGTsの検出を試みた。土壌や堆積物中GDGTsを同定・定量している手法と同じ手法を濃縮した溶存有機物試料に適用した結果、海洋溶存有機物中からGDGTsを検出する事に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、海洋溶存有機物中から古細菌特有の細胞膜構成脂質であるグリセロール・ジアルキル・グリセロール・テトラエーテル(GDGTs)を検出する事に成功し、申請研究は順調に進んだ。

今後の研究の推進方策

2年度目は、海域・深度間および溶存画分・粒子状画分間のGDGTs濃度・組成の比較、また他の溶存有機物パラメータの比較から溶存GDGTsの動態に関して評価する予定である。

次年度の研究費の使用計画

初年度は適した人材がおらず、人件費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。
2年度目は、学術研究員を雇用し、分析・解析をすすめ、学術論文の作成を行う。

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公開日: 2015-05-28  

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