海洋細菌由来の難分解性溶存有機物が海洋に普遍的に存在する事は広く知られている。一方、近年、海洋には古細菌が普遍的に存在し、その存在数は海洋細菌と同等である事が明らかとなった。すなわち、海洋細菌と同様に古細菌由来の難分解性成分が海洋溶存有機物中に普遍的に存在する可能性がある。しかし、古細菌由来の溶存有機物は検出されていない。 本申請研究では、海洋溶存有機物から古細菌特有の細胞膜構成脂質であるグリセロール・ジアルキル・グリセロール・テトラエーテル(GDGTs)を検出する事を目的とした。その結果、西部北太平洋および太平洋側北極海の表層から深層における溶存有機物画分からGDGTsが検出された。
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