本研究では、近年発展した海洋中層ブイの浮力制御技術と衛星通信技術を応用して、氷海域でも運用可能な海洋鉛直観測を行う係留型ブイ観測システムの開発を目的とし、オホーツク海知床沖で通算七ヶ月にわたる実海域試験を行った。センサーブイについては、浮上下降動作、待機深度の制御、衛星通信によるデータ通信、長期連続耐久運転、海氷下の浮上・停止動作といったプログラムした動作のすべてに成功した。また流速の実測により、ブイ浮上の限界となる流速を求めた。これにより実運用に耐えうるシステムの基盤技術を確立し、今後さらに高度な海洋条件下での運用に対応するための基盤を得た。
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