研究実績の概要 |
平成26年度は以下の項目を実施した。 研究項目(3)「現場実証試験:オホーツク海大陸棚での実証試験」:H26年夏季(6月~7月)にロシア極東水文気象局所属・耐氷海洋研究観測船・プロフェッサー・マルタノフスキー号を用いて、オホーツク海大陸棚部で広範囲にわたる多量の海水試料を採取した。研究項目(1)「Nex(過剰N2)法の高速処理の開発」と研究項目(2)「[N]ex-[N]def(脱窒見積り法)法」を基盤に、[N]ex-[N]def 法を用いた海水中の脱窒・窒素固定量の高確度な同時見積りを行うとともに、化学トレーサーSF6を同時に測定し、上記で見積もった脱窒・窒素固定量に時間軸を与え、脱窒・窒素固定速度の定量化を行った。具体的には、現場実証試験海域内の広い範囲の観測点20点で、表層0m~海底(水深200m)までの鉛直12層の採水を行い、窒素ガス、Arガス、硝酸、リン酸を同時測定し、以下の式に適用することで、以下の式(1)と(2)に適用すること([N]ex-[N]def 法)で、同じ時空間規模でのオホーツク海大陸棚部における海水中の脱窒と窒素固定の同時見積りを実施した。 [N]ex = [(N2/Ar)sample ー (N2/Ar)bkg]・[N2](t, s), 式(1) [N]def = R N/P・[P]sample ー [NO3+NO2+NH4]sample, 式(2) その結果、同海域においては、窒素固定はほとんど検出されなかったが、著しい脱窒速度があることが空間分布として明瞭に描きだすことができ、北太平洋への影響を定量化できた。
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