塩素同位体比の簡便かつ高精度な測定法開発と,底層水・堆積物(間隙水)中の各種安定同位体比や化学成分濃度等のマルチプル生物地球化学指標を併用したメタンハイドレート(MH)モニタリング手法の確立を目標とした。上越沖(MH賦存海域)とブラジル沖(MH未観測海域)の研究より,1)上越沖で新たなメタンプルームとバクテリアマットを発見し,堆積物では著しい硫酸還元が生じて微生物活性が高く,その栄養源はMH由来のメタンである;一方,2)ブラジル沖堆積物では硫酸還元が確認されず,リン濃度も極めて低い;3)アスファルトサイトでは間隙水中のケイ酸濃度の勾配が高く,海底面下の湧水活動が活発であることが分かった。
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