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2013 年度 実施状況報告書

炭素ガス炭素安定同位体比高速測定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25550021
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

米村 正一郎  独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (20354128)

研究分担者 児玉 直美  独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (60594611)
常田 岳志  独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (20585856)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード安定同位体 / 二酸化炭素 / 一酸化炭素 / メタン / ニッケル / 水蒸気改質
研究概要

本研究は、生態系で重要な炭素ガス(すでに実用化されているメタン、一酸化炭素、メタンその他の揮発性有機化合物)の安定炭素同位体について連続測定技術を確立することを目的としている。そのためには、ガスクロマトグラフによる分離では無理があり、触媒による各成分の選択的酸化法を検討する必要がある。
触媒を詰めた管にメタンおよび一酸化炭素が入った空気を流し酸化効率を調べてみた。上流側の流量、温度、上流側メタン、一酸化炭素濃度を制御出来る実験システムを作成した。そして、下流でガスクロマトグラフおよび光学的測定法によりメタン濃度、一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度の測定を行った。まず、一般的な白金触媒を用いた場合には一酸化炭素および揮発性有機化合物は完全に酸化されたが、メタンも少量酸化してしまうことがわかった。白金触媒による酸化については、水蒸気があると低下する傾向が見られた。ホプカライトは常温で一酸化炭素を特異的に酸化する触媒として知られているが、ホプカライトを通した後は、一酸化炭素は完全になくなり二酸化炭素は入れた一酸化炭素の量の濃度になり、メタンの酸化は行われなかった。メタンは酸化せず一酸化炭素のみ酸化出来ることがわかった。
次にメタン(揮発性有機化合物の中で最も酸化しにくい)酸化を達成するために、破砕ニッケル触媒を電気炉にいれて調べた。温度が高いほど、流量が小さいほどメタンの酸化は高くなった。一般的には950℃で酸化することがいいとされているが、1000℃以上であっても(1200℃まで制御)温度が高くなればなるほど酸化効率は高まった。また、メタン酸化が中途半端な場合は、一酸化炭素までの酸化として残ってしまう場合もわかった。水蒸気を加えると格段に酸化効率が向上した。すなはち、水蒸気改質といはれる酸化法が環境中分析を行う場合でのメタン酸化でも有効であることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

応募時の初年度の計画内容に照らし合わせて、パラジウムなどの別の触媒について調べられていないものの、ほぼ達成できていると考えられる。また、応募時には想定もしない水蒸気改質法で効率的なメタン酸化を達成できた。メタンを効率的に酸化出来る方法が達成できたことを考えると、うまく研究は達成できている。

今後の研究の推進方策

実験上の参考データとしてメタン酸化が不完全の場合の同位体比を分析することが重要であるので、このデータを加えるべく実験を行う。そして、二酸化炭素除去(ソーダライム)、一酸化炭素酸化、メタンまでの完全酸化をする流路を作成し、連続的に二酸化炭素、一酸化炭素およびメタンの炭素安定同位体比を連続測定できるシステムを作成する。まずはひとつのひとつの成分の炭素安定同位体比を連続測定する手法を確立する。システムを作成した後にはまず実験室にて還元土壌から発生するメタンおよび植物から発生するエチレンなどの成分に応用を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度で行う予定であった安定同位体比付近の流量制御装置について実験結果を待ってから機種を決定するっことを考えていたため来年度に回すようにしたため。
流量制御装置を購入する費用として用いる。

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公開日: 2015-05-28  

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