近年、TALENs、CRISPRといったゲノム編集技術が注目されている。いずれも標的とするDNA配列への特異的な結合反応を利用した配列特異的DNA二重鎖切断導入システムによる変異導入系である。本研究では、DNA切断活性を転写制御活性に置き換えた人工転写因子を作成し、特定遺伝子の転写を制御できる系をメダカにおいて確立する事を目指した。DNA切断活性を失活させた変異Cas9と転写活性化因子VP64とのキメラ蛋白がメダカ細胞内で人工転写因子として機能することがβ-actin遺伝子のプロモーター領域を用いて確認できた。更に、p21の上流領域においても人工転写因子による制御が可能であることが確認できた。
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