本研究の目的は、化学発がん物質によるゲノム遺伝子の塩基損傷を立体的要因も考慮し、全体像を把握することとした。まず初めに、タバコ煙中に含まれる発がん物質ベンゾ(a)ピレン(BaP)が生成する遺伝子損傷産物(N2-(-)trans-BPDE-dG、またはN2-(+)trans-BPDE-dG)ならびに紫外線曝露により生成するシクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)の解析を進めた。また、今回の課題から派生して得られた成果として、遺伝子のエピジェネティックな修飾であるシトシンメチル化に関する結果も得ることができた。
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