研究課題/領域番号 |
25550046
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寳來 佐和子 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60512689)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | イヌネコ / 微量元素 / 水銀 / ペットフード |
研究実績の概要 |
先行研究において、キャットフード中As、Cd、Pbレベルはペットフード安全法の上限値を下回り、安全性評価をクリアしていた。ドッグフードにおけるこれら3元素の安全性を評価したところ、ドライタイプ、ウェットタイプともに上限値を超えたものはなかった。また、キャットフードとドッグフードのレベルを比較すると、ドライタイプにおいてAsは有意にキャットフードで、Pbは有意にドッグフードにおいて高値であった。ウェットタイプで、有意差がみられた3元素(As、Cd、Hg)は、キャットフードで高値を示した。ウェットタイプのキャットフード中As、Cd、Hg濃度がドッグフードよりも高値であった原因は、植物や陸生生物のこれら元素レベルよりも高濃度の魚介類がキャットフードの原料に使用されているためと推察された。食物は体内微量元素レベルに反映する主な暴露源であることから、体内のAs、Cd、Hgレベルはイヌよりもネコで高レベルを示すことが予想された。そこでこれら4元素の肝臓、腎臓、脳中レベルを比較したところ、As濃度は予想どおり3組織ともネコで高値を示した一方、Hg濃度は腎臓のみで有意差がみられ、さらにイヌで高値を示すという結果が得られた。Cd濃度も予想に反し、イヌで有意に高値を示した。Pb濃度は肝臓と腎臓で有意差はみられなかったものの、脳においてネコは有意に高値を示した。このことからネコはイヌに比べPbが脳に移行しやすいものと考えられた。ネコにおけるAs濃度は、他の陸生哺乳類と比較して相対的に高値であり、海棲哺乳類と同等か低レベルであった。ネコよりも高レベルを示したイヌのCdとHgは、食物以外の暴露源や種特異的な代謝メカニズムの関与が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊娠・出産のため、休暇を取ってしまい、進捗は当初の計画より遅れている。しかし、化学分析はほぼ終了している。
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今後の研究の推進方策 |
分析はほぼ終了しており、今後データ解析に専念する。
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次年度使用額が生じた理由 |
妊娠出産のため一時休業したため、実験に必要な消耗品および備品を購入しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
実験遂行にあたり、必要な消耗品および備品を逐次購入する予定である。
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