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2013 年度 実施状況報告書

低電場を用いた新規微粒子分離技術による水質浄化

研究課題

研究課題/領域番号 25550055
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関岐阜大学

研究代表者

木村 浩  岐阜大学, 工学部, 准教授 (40313910)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード電界強度
研究概要

水などの極性溶媒中ではコロイド粒子の表面に電気二重層が形成され、安定な分散状態をとりやすい。電気二重層の厚さが大きいほど、より安定な分散状態となる。水中微粒子の除去方法としては、強制濾過や凝集剤の添加などがあるが、これらの方法では、除去速度の向上と環境負荷への配慮を同時に行うことは難しく、根本的な解決方法が求められている。本研究者は、水中の固体コロイド粒子の沈降速度が電場印加によって飛躍的に増加することをこれまでに明らかにしている。しかし、そのメカニズムに関しては明らかになっていない。
単分散ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子およびベントナイト粒子水分散液を徹底的に脱塩したものを使用した。DLSおよびゼータ電位測定、電気伝導率測定、また透過型電子顕微鏡観察によりPMMA粒子のキャラクタリゼーションを行った。石英セル内に白金電極を電極間距離が9.8 mmになるように設置して水分散液2.45 mLを入れ、十分に攪拌して分光吸光光度計に設置した。波長540 nmの光をセルに垂直に照射し、透過光強度を測定した。電場印加は測定開始直後に行った。観測は液面からの深さが5 mm、10 mm、15 mm、20 mmのそれぞれの深さで行った。実験は25℃で行った。
PMMA粒子およびベントナイト粒子水分散液に電場印加した際の透過光強度変化を測定した。電場印加後、一定時間が経過すると透過光強度が急激な増加を示した。この急激な増加はコロイドリッチな相と透明領域(ほぼ水のみ)との境界面が観測点を通過したためである。粒子が観測点間で等速運動をしていると仮定して、沈降速度を算出した。電界強度が大きくなるほど、また体積分率が大きくなるほど沈降速度の増加率が大きくなった。交流電場でも効果は発現したが、直流電場時ほどの効果は得られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

電場印加による沈降速度増加の効果が、幅広い電界強度および微粒子体積分率で観測された。用いた微粒子5種類以上において全て「電場沈降効果」が観測されたことから、微粒子周りに形成される「電気二重層」が電場により何らかの変化を受けることが強く示唆されたため。

今後の研究の推進方策

流動場での「電場沈降効果」を調査する。

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公開日: 2015-05-28  

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