豪多雪地帯において人為的に形成された無立木草地の維持・管理の手法,技術を検討するため閉鎖スキー場,観光ワラビ園,ナラ枯れ跡地,および放棄田を野外操作実験地として,生物間相互作用を通した生態系の構造変化を明らかにした。その結果,閉鎖スキー場では多様な遷移段階の群落が分布し,観光ワラビ園は希少な草原生態系としての機能を評価できた。ナラ枯れ放棄田は,下層植生の発達段階が異なる新たな生息場所を提供していた。以上のことから人為的管理,およびその放棄によって様々な遷移段階がモザイク状に存在することが,当該地域の生物多様性を維持していることを明らかにできた。
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