南極大陸では湖沼群の存在が確認され、湖沼群はその成立条件により、湖沼ごとに地球上で最も多様性にとんだ生態系を構築していると報告されている。さらに、南極では地球温暖化が陸よりも水域にて深刻であると問題視されている。本研究では昭和オアシスの露岩域に存在する部分循環湖のぬるめ池にて、底生動物群集の池の水深に対する鉛直分布を解析し、さらに、湖内の環境と動物群集の構成機構を分析した。計画では、現地に赴き池内の底生動物群集の温度耐性実験をおこなう予定であったが、申請者の出産と気候により、現地に赴くことが出来なかった。そこで、池の底生環境を詳しく調べるため、走査電子顕微鏡を用いて堆積物中の観察をおこなった。
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