大比表面積かつ大粒径の多孔質磁性酸化鉄粒子を用いた、水環境中の化学種吸着・分離回収システム構築を目指して研究を進めた。酸化鉄の磁性を利用し、吸着特性向上に加え、外部磁場印加による発熱で物理的脱着を促進、濃縮分離を実現することが最終目標である。本研究で用いる粒子では、常温で磁性を持たせるための粒径制御が必要である。そこで、還元熱処理による多孔質構造の維持と粒径最適化を試みた。結果、交流磁場により発熱する粒子が得られた。カラム流通式脱着系を用いて、砒素吸着粒子からの脱着量を調べ、磁場印加による約2倍の脱着促進効果を確認した。吸着量に対する脱着効率は不十分だが、今後につながる一定の成果を得た。
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