本研究では、変性ポリビニルアルコール(PVA)ポリアニオンおよびポリカチオンによる正荷電(P)層と負荷電(N)層を有するFO用イオンバリヤー膜(FO-IB膜)を作製した。得られたFO-IB膜の水流束は2.6 L/m2hで、市販のFO膜の1.6倍高い値を示した。このP層およびN層の膜電位とイオン透過との関係を解析した結果、膜電位が増加すると、対象溶液(FS)側からDS側への陰イオン透過は減少し、陽イオン透過は逆に増加した。また膜モジュールによる排水処理を想定した透過試験において、DS側から模擬多価イオンのCa2+は検出されず、FSは3.7倍に濃縮され、有害イオン除去への応用が期待される。
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