本研究は,カルボキシ基およびアミノ基を有するコバルト,鉄,ニッケルといった非貴金属含有フタロシアニンを用いて,これらを重縮合・高分子化して得られる金属フタロシアニン複合体を焼成し,ナノスケールで金属を配置した炭素担持型触媒の創製を目的とし,現存の白金触媒の代替触媒開発を目指した。焼成温度については,900℃において焼成された触媒が高活性を示し,焼成気流ガスについては窒素よりも水素が適していることが明らかとなった。さらに,焼成体を王水処理することにより,触媒活性が向上し,市販の白金担持型炭素触媒と比較し,電流値では劣るものの,酸素還元電位ではほぼ同等の値を示すことが明らかとなった。
|