研究課題/領域番号 |
25550101
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗栖 聖 (長谷川 聖) 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (00323519)
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研究分担者 |
花木 啓祐 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00134015)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境教育 / 情報伝達 / 社会空間 |
研究概要 |
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の環境教育における利用可能性を検討するために,少人数グループでのFacebookによる環境教育プログラム試行実験を行った。ここでは,被験者を2グループに分け,積極的な情報発信者の有無,および各アクターの示す共感性が,行動継続動機に及ぼす影響について把握するものとした。さらに,各アクター間で示される共感性を数値化し,社会ネットワーク分析によってネットワーク構造の変容を明らかにすることを目的とした。 Facebookを既存のSNSツールとして取り上げ,その中に,20名程度の大学生からなるグループを2グループ作成した。その上で,積極的な情報提供者(オピニオンリーダー)を含むグループは密なネットワーク構造を形成し,密なネットワーク構造は活発な環境行動実施に繋がる,という仮説の有効性を検証することとした。 まず,事前アンケートを実施し,アンケート結果の環境意識得点がおよそ等しくなるよう,被験者を2グループに分けた。その上で,一方のグループでは,オピニオンリーダーが,不定期に環境情報や節電関連情報を提供するものとした。実験は約7週間実施し,その間に被験者に自宅の電気メータを読ませた上で定期的に報告させた。 実験期間における各アクター間の「いいね」の回数を社会ネットワーク分析に供した。その結果,特にオピニオンリーダーが存在するグループでは,アクター間の密度が高く,オピニオンリーダーと多くの人が繋がる構造が見られた。 また,少人数による試行実験に加えて,より大きな視点で見た温暖化に係る様々なアクターがもつ意識,アクター間の認識に関する調査を行い,認知ギャップについて明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SNSによる試行実験を実施すると共に、より大きな枠組みで見たアクター間の意識について明らかにしつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
SNSの試行実験からは、ヴァーチャルな空間での人的つながりが有効に働かない面も見ることが出来た。そこで、SNSとは異なる形でのゲーム性を持たせたツールの利用可能性を明らかにすると共に、現実の社会空間における環境教育の可能性についても検討して行く。
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