研究課題/領域番号 |
25550102
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
松田 裕之 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (70190478)
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研究分担者 |
藤江 幸一 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (30134836)
中井 里史 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (70217644)
及川 敬貴 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (90341057)
内藤 航 独立行政法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 研究員 (10357593)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境と社会活動 / レギュラトリ科学 |
研究概要 |
1. 1.課題選定:環境行政の政策提言に果たす科学者の役割を、辺野古米軍基地環境影響評価(防衛省)、知床世界遺産科学委員会及びゼニガタアザラシ漁業被害対策*(環境省)、水産生物の希少性評価、資源管理のあり方検討会*(水産庁)、国際事業としてFuture Earth(以下FE)およびUNESCO MAB計画*(以下MAB)を選んで情報収集を開始した(*は申請書段階になかった追加課題)。 2. 事例研究:週1日雇用のPD及び協力者を得て、各事例の委員会の公開性を調査した。辺野古、水産生物は非公開、知床、ゼニガタアザラシ、水産資源管理、FE科学委員会およびMABは公開性が高かった。一堂に会する機会は得られなかったが、UNESCOパリのArico博士と2度にわたり議論する機会を得て、日本の知床世界遺産の事例を紹介し、FEやMABの事例との比較した意見を得た。 3. メタ分析:アザラシは科学者が検討した試験捕獲を政権交代後に環境相が覆すという特異な事例となり、現在分析を進めている。辺野古は県知事が前言を覆して基地受け入れを表明し、新たな専門家委員会が招集された(水産生物は継続審議中)。水産資源管理については日本とペルーの漁業制度を比較した。FEについては委員を辞退したNOAAのLubchenko博士とともに国際行事を企画した。3月5日に横浜国大主催の医療ICT(情報コミュニケーション技術)シンポジウムで松田がパネル登壇して、医療分野の専門家とレギュラトリ科学に関する取り組みの共通点と相違点を議論した。 4. 社会的成果発信:知床はカメラマンによるクマの人なれ防止のため科学委員会が緊急声明を出すなど行政に代わり一定の役割を果たす事例となった。日本とペルーの漁業制度比較に関する学会発表は2013年12月10日付みなと新聞1面トップで紹介された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
水産資源管理制度のあり方、辺野古基地問題の新たな専門家委員会は現地で公開で行うよう提案するなど、科学者の役割についての新たな社会実験を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
査読付き論文としてまとめること、個々の事例間の比較だけでなくメタ分析を包括的に行った研究成果の発表を目指す。
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