研究概要 |
本研究は、熱帯雨林産物の中でも特に社会や文化との関わりが深く、かつ市場価値の高い沈香に注目して、そのバリューチェーンがどのように確立されてきたのかを追究する。香道では、「六国五味」と称して沈香の産出国や積出港に由来する6つの種類と5つの味の分類が行われてきた。6つの原産地はいったいどこを指しているのか。また、産地の範域はどのように変化し、広がってきたのか。沈香のバリューチェーンの形成過程の追究は、その高い経済価値だけでなく、相対的に公正なとり引きが行なわれてきたという点から、森林の持続的利用モデルへの含意が大きいと考えられる。 1、10th Conference on Hunting and Gathering Societies (CHAGS10, リヴァプール大学、イギリス)にてポスター発表を行い、有益な意見交換ができた。また、大英帝国時代の貿易ルートに関する資料収集なども行った。 2、4th International Symposium on Environmental Sociology in East Asia(ISESA4, 河海大学、中国)において、研究発表を行い、有益な意見交換ができた。中国の沈香利用に関する資料収集も行った。 3、インドのプーネ近郊のSasvadで「六国」に関する聞きとりを行った。またコーチンなどで香料貿易に関する資料収集を行った。 4、国内の香木店での聞きとりを行った。
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