研究課題/領域番号 |
25550103
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
金沢 謙太郎 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (70340924)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 沈香 / バリューチェーン / 社会学 / 経済史 / 林学 |
研究実績の概要 |
本研究は、熱帯雨林産物の中でも特に社会や文化との関わりが深く、かつ市場価値の高い沈香に注目して、そのバリューチェーンがどのように確立されてきたのかを追究する。香道では、「六国五味」といって、沈香の産出国や積出港に由来する6つの種類と5つの味の分類が行われてきた。6つの原産地はいったいどこを指しているのか。また、産地の範域はどのように変化し、広がってきたのか。等級の分類はだれがどのように行っているか。沈香のバリューチェーンの形成過程の追究は、その高い経済価値だけでなく、相対的に公正なとり引きが行なわれてきたという点から、森林の持続的利用モデルへの含意が大きいと考えられる。 1. International Union of Anthropological and Ethnological Sciences Inter-Congress 2014 (IUAES2014, Makuhari Messe, Japan)にて口頭発表を行い、狩猟採集民の沈香採取の状況に関する意見交換を行った。 2. マレーシア、サラワク州のバラム河流域の沈香の仲買人に対して、聞きとり調査を行った。 3. ミャンマーとラオスにおいて、沈香植林と沈香オイル生産の現状について企業等に聞きとりを行った。 4. 国内の香木店において聞きとりを行った。沈香と関連のある香道や仏教に関する史料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
沈香の産地から小売段階までバリューチェーンの全体像に関する調査はおおむね計画通りに進展している。今後、入手した資料データの分析を深める。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に挙げた調査対象はおおむねカバーできたが、まだ情報が不確かな部分も残る。再訪問して、残された課題を解明するとともに、研究成果を積極的に発信していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた海外調査(大英帝国時代の貿易ルートに関する追加調査)を次年度に延期したため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度中に、平成26年度の残額分による海外調査(大英帝国時代の貿易ルートに関する追加調査)を平行して実施し、その結果を総合的な分析につなげていく。
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