研究課題/領域番号 |
25560003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
李 昇姫 筑波大学, 芸術系, 准教授 (80259051)
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研究分担者 |
北島 宗雄 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00344440)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 親子 / コミュニケーション / エスノグラフィー / 情報共有 / ロボペット |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで就学前児童のための安全守りデバイス開発研究(李、浜中 2009-2010 総務省)で得られた年齢による子どもの行動パターンと親子コミュニケーションの有り型を基に、子どもの成長に伴う親子の円滑なコミュニケーションと情報共有を補助できるペット型ロボットの開発を目的とし、 親子の双方向コミュニケーションに必要な環境を設定し、子どもからの発言が親に届きやすい補助役の実働可能な小型ロボットをデザインする。平成26年度はエスノグラフィーを通してユーザや環境における状況を十分調査した上に2つのアプローチをデザイン開発に応用してきた。 一つ目は、現在も進行中である実働するロボペットの開発である。親のスマートフォンと連動できるシステムとして開発を行った。今後、実働モデルを用いて、エスノグラフィー実験に参加された5組の親子を対象に評価実験を行う予定である。 二つ目は、デンマークのSDU(Southern Denmark University)で行った親子および学校の先生とのコミュニケーションを支援する折り紙工作ツール開発である。小学校にて親子と先生がワークショップを通して、折り紙に悩みなどを書き、先生や親が自由に閲覧できるようにするなど情報共有を試みた。ワークショップを開き、実際の親と先生からのインタービューを行い、子どもたちからも使用後の評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
エスノグラフィーによるユーザ調査のために、人類学との融合研究を試みた。その結果、ユーザの経験による行動の詳細な特徴が見つかり、デザインの広がりが可能となった。当初の計画であったプロダクトデザインの開発以外にもソフトウエアー的なインタラクティブツールと、アップリケーションの設計などを連動できるように進めており、今後実用化にも用意な段階まで至った。特に、デンマークにおける調査と開発事例は、日本では考えられなかった柔軟な発想が生まれ、エンターテインメントプロダクトの多様な開発が期待できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、開発したロボペットを用いたユーザーテストを行い、その効果を評価していく。今回設定した思春期前の年齢は、製品開発においてまだ研究されたケースが少なく、より詳細な設定も可能であり、今後も使用環境と共に検討を続けていく。人類学、デザイン学とエスノグラフィーと感性研究の融合による開発事例として国際学会でも発表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者との打ち合わせが日程の調整が付かず、実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究打ち合わせのために使用する予定である。
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