本研究では、「人間-環境系のイノベーション」を可能にする「デザイン思考」の仕組みを記号論の視点から解明するとともに、それを支援するデザイン方法を提案することを目的として、①「デザイン概念」の質的転換、②「デザイン問題」の定式化、③イノベーションを促す「創発的なデザイン思考」の解明、④「対話によるデザイン」を支援するデザイン方法を探究した。 こうした理論研究と並行して、京都市立洛央小学校のブックワールドを6年生の児童全員とともにデザインするプロジェクトを実践し、デザインプロセスが革新的な人間-環境系を創り出すプロセスであると同時に、主体の豊かな創造力を育むプロセスでもあることを示した。
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