研究課題/領域番号 |
25560010
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
土田 賢省 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (30231434)
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研究分担者 |
加藤 千恵子 東洋大学, 総合情報学部, 准教授 (50369865)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | カラーバリアフリー / カラーユニバーサルデザイン / 画像処理 / アプリ開発 / 色覚障害者支援 |
研究概要 |
色は情報伝達において重要な役割を果たしている。ところが、カラー表示は一般の色覚の人の色の見え方だけを考えて設計される場合が多いため、色覚障害者が情報を読み取れずに不便を感じるケースが増えている。そのような中で、色覚障害者にも一般の色覚者にも分かり易い表示を目指したカラーバリアフリーが注目を浴びている。しかし、地下点路線図や公共の案内板等では色覚障害者に一定の配慮し、改善は見られるものの、色覚障害者が日常生活で真に不自由している事柄を払拭するような画期的なアプリケーションは未だ開発されていないのが実情である。そこで、本研究では、色覚障害者が日常生活で色に関して困難を覚えるような問題を解決するアプリケーションの開発を目的とした。具体的には、色弱者自身が生活空間での使用することを主眼に置き,物体の色をシステム自身に判断させ,その色を文字として出力するシステムの開発を行った。色覚異常の中でも多い赤緑色覚異常の色弱者を対象とし、カラーユニバーサルデザインの”色を見分けにくい人にも情報が伝わるようにする(例:柄やアウトラインをつける)”ことに重点を置き、赤色系統の色名表示アプリケーションの開発を行った。 具体的な動作は以下のようである。①画像の表示、②ユーザによる画面のタッチ、③ タッチ部分の座標の取得、④取得した座標の色判定、⑤色判定の表示、⑥’①’に戻る 本アプリケーションを用いて、評価実験も行った。サンプル画像と生活空間の画像を比較した結果、サンプル画像での色の判断は生活空間の画像での色の判断より出来ていたとが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
色覚障害者支援のプロトタイプシステムを開発し、評価実験までは遂行できた。 しかし、課題として、HSVに変換した場合との実行時間と赤系統の色判断の正確性の比較、またタッチの領域だけでなく、ドラッグによる領域指定の実現が残されている。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度に作成したプロタイプシステムを基にして、評価実験の結果も踏まえて、実際の生活の場で使えるアプリの開発を目指す。アプリ開発では、オープンソースソフトウェアの活用も考慮に入れて、設計・開発を行う。実用的にするために、業務委託によるプログラム開発を最終段階で入れ、使い勝手の良いものに仕上げる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
システム評価実験補助のためのバイト代を予定していたが、システムの完成度をもう少し上げてから、評価実験を行った方が良いと判断して、次年度に残した。 アプリケーションの試作システムの評価実験を7月に行い、その際にバイトを雇用する予定である。
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