高齢者における聴覚認知機能検査プログラムの開発

2014 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25560019
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 加藤 靖佳 筑波大学, 人間系, 准教授 (10233826)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 高齢者 / 聴覚認知 / 検査プログラム

研究実績の概要

高齢者人口の増加に伴い、聴覚認知機能に問題のある高齢者の聴き取り能力を把握することが重要となってきている。高齢者の聴覚認知機能検査において、単語、環境音、音楽を用いて日常の生活環境に近似した条件で行う聴覚認知機能検査を開発することを目的としている。
１.聴覚認知機能検査音を作成した。（立体空間における再生可能な録音環境の構築）立体空間の再生可能な録音環境を整備し、マイクロホン入力によるＰＣＭ録音ができる録音環境を構築した。
２.聴覚認知機能検査プログラムを作成した。①高齢者を対象とした検査音（単語）リストの作成。高齢者を対象とした単語の検査音リストの作成については、単語聴取における親密度の影響、単音節と単語の聴取の関係を検討した。検査語音は日本聴覚医学会５７Ｓ語表の単音節と親密度を指標にした単語から選定した（音源は親密度別単語了解度試験用音声（ＮＴＴアドバンステクノロジ）を参照）。②高齢者を対象とした検査音（環境音）リストの作成。高齢者を対象とした環境音の検査音リストの作成については、現在、日常生活している環境音に加え、記憶に残る音について調査を行った。生活の中での注意喚起を必要とする音、情緒的に影響を与える音等を選定した。特にこの検査音リストには、高齢者の生活上の安全性について、特に生活騒音、交通騒音からの音源の選定が重要であると考える。高齢者を対象とした検査音（音楽）リストの作成。高齢者を対象とした音楽の検査音リストの作成については、高齢者の聴覚特性を考慮して選定した（音源はＲＷＣ研究用音楽データベース（技術研究組合　新情報処理開発機構）を参照）。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

立体空間における再生可能な録音環境は構築できたが、検査プログラムで使用する検査音リストの一部が作成途中となっている。

聴覚認知機能検査プログラムでは、単語、環境音、音楽の検査音を用いる。
高齢者を対象とした単語リスト及び音楽リストの検査音は概ね終了しているが、環境音についいての調査が途中にあり継続して研究を進める予定である。

今後の研究の推進方策

聴覚認知機能検査プログラムの検査音では、単語、環境音、音楽を用いているが、環境音のリストを継続して作成するとともに、聴覚認知機能検査プログラムの実施手続きを検討
する。特に検査手順、聴覚訓練方法、聴覚リハビリテーションプログラムについて検討する。また作成された聴覚認知機能検査プログラムについて高齢者を対象者として実施し、基礎的データを収集する。