簡易プールでの水遊びは、塩素消毒が不十分なことから下痢性疾患のリスクを増大させる。そこで、水遊び後の水の細菌叢はどのように変化するのかを調査した。衛生指標となる細菌数と使用人数との相関関係は見られなかった。次にヒトに対して病原性を有する細菌に注目してメタゲノム解析を行った。その結果、水遊び後の水はヒトの皮膚および腸内細菌による微生物汚染と合わせて、幼児の年齢とその行動によっては土壌細菌による汚染も生じ、病原菌が含まれることも明らかとなった。簡易プールの衛生管理にはヒトと環境の両方からの汚染に注意すべきことを科学的に示した。
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