研究課題/領域番号 |
25560035
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
谷本 守正 山梨大学, 総合研究部, 教授 (60621323)
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研究分担者 |
島 弘幸 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (40312392)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | チーズ / カード / カゼイン / pH / 脂肪 / 粘弾性 |
研究実績の概要 |
各種条件でのカゼインの凝固状態(チーズカード)の力学物性を把握することで、物性発現のメカニズムの解明及びコントロールを目的としている。 昨年度の知見で、カード中のpHを変化させることで貯蔵弾性率と損失弾性率に温度依存的な特徴を把握した。今年度はさらに脂肪の影響を把握するため、出発物質として脱脂乳とクリーム添加の乳を用い、レンネットチーズカードを作製した。pH変化させたカードの温度依存的な力学挙動(貯蔵弾性率、損失弾性率)を把握した。低温側(20℃以下)でみられる急激な貯蔵弾性率の増加はクリーム添加で顕著に現れ、脂肪の固化に伴う現象と推測された。pHを低下させたカードでは、損失弾性率が貯蔵弾性率を上回る、見かけのゾル-ゲル転移が両者で見られた。カゼイン状態固有の性質と推測された。本知見をもとに、2015EMN Droplets Meeting(May 8-11,2015 Thailand)で発表した。 新規なきのこ由来凝乳酵素を用い、凝乳チーズカードを作製し、従来のレンネット凝固カードとの力学挙動(貯蔵弾性率、損失弾性率)の違いを把違した。キノコ酵素凝乳カードはレンネットチーズカードと比べて、貯蔵弾性率は低いがtanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)は高かった。食感的にも、柔らかく滑らかなものだった。また菌糸体をカード中に入れることで、貯蔵弾性率は低くなり、tanδも低くなることが分かった。これはレンネット凝乳カード、きのこ酵素凝乳カードともにみられる現象であった。またホエイ中のペプチドの分析から、両者は異なり、異なる凝乳メカニズムであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな知見も加わり、順調である。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定通り、さらに新たな知見も入れながら推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の機器が借用できた。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表、打合せなどによる経費。論文投稿経費。サンプル調製、保管用機器の物品費、消耗経費。分析、謝金経費、人件費などの経費が発生する。
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