研究課題/領域番号 |
25560045
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平松 祐司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30302417)
|
研究分担者 |
北村 豊 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20246672)
長谷川 雄一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00251059)
堀米 仁志 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50241823)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 納豆 / ビタミンK / ワーファリン / 粘性物質 / 発酵 |
研究実績の概要 |
ビタミンK(MK-7)を含有しない納豆を加工するためには、発酵過程での納豆菌によるビタミンKの産出を抑制するか、あるいは発酵済み納豆中に生成されたビタミンKを分解・除去する二つの方式が考えられた。本研究は発酵プロセスや発酵済み納豆の改質にこだわらず、納豆から取り出した粘性物質水溶液を利用して納豆風味を保持し、これに紫外線照射を加えてビタミンKおよび納豆菌を除去した大豆食品の加工を目指した。独自の紫外線照射装置の開発と適用法の確立も研究の重要な柱であった。まず市販の納豆を攪拌して糸ひき状態としたものに浄水を加えて水洗することにより、納豆の粘性物質を溶出した。粘性物質水溶液に独自の紫外線装置による照射を施すことにより、含有されるビタミンKの分解および納豆菌の殺滅を図った。ビタミンKおよび納豆菌を除去した粘性物質水溶液を噴霧乾燥法により粉末化したものを別途蒸煮した非発酵の大豆に還元し、納豆風味の大豆食品完成を得た。この新たな加工法の技術特性は以下の3点である。1)粘性物質を水溶液にすることにより、紫外線照射の適用性が向上する。2)粉末化することにより、納豆粘性物質の保存性や加工性が向上する。3)納豆由来の粘性物質を利用することにより、納豆の風味を高いレベルで再現できる。 こうして開発されたMK-7フリー納豆風味食品のコンセプト、加工特性に関する定性的・定量的評価から食品完成に至る過程と患者・ボランティアによる性能試験結果を評価、解析し、まだ改善の余地はあるものの、総じて有益な食品開発がなされたと判定した。さらに評価および性能試験を重ねて行い、十分な検証がなされた上で学会、論文報告する予定である。中間結果は前年度までの関連学会、研究会にて発表している。
|