研究課題
口腔の味蕾に存在する甘・旨・苦味受容体発現細胞を消失したSkn-1(S-)KOマウスは、体重減少が観察された。摂食量に変化は見られないが、S-KOマウスにおいて消費エネルギーの亢進が観察された。これらの結果は、消化管の甘味受容体を発現する細胞があり、S-KOマウスでは、それらが消失しているため、糖などのエネルギー代謝に変化が生じた可能性を示唆した。そこで、S-KOマウス消化管(胃及び小腸)における甘味受容体発現細胞の存在を解析するため、味蕾に発現する甘味受容体mT1R2とmT1R3、甘味受容細胞に発現するTRPM5分子を用いて、in situ-hybridyzation及び組織染色を行った。その結果、野生型及びS-KOマウス消化管においてmT1R2及びmT1R3の発現は観察されなかった。一方、TRPM5シグナルは野生型マウスの胃・小腸細胞では観察されたが、S-KOマウスではシグナルは存在しなかった。消化管にはenteroendocrine, enterocyte, Goblet, Panethなどの細胞種が存在する。mTRPM5発現細胞は野生型マウスにおいてのみ観察された。TRPM5発現細胞に関して、消化管細胞種のマーカー分子を用いて解析した。その結果、mTRPM5はTuft細胞に発現していた。以上からS-KOマウスにおいては、胃及び小腸のTuft細胞が消失していることが明らかになった。また、野生型マウスの消化管には甘味受容体発現細胞はほとんど存在していないことも判明した。本研究からS-KOマウスの体重減少に腸管Tuft細胞の機能が関与している可能性が強く推定された。今後、Tuft細胞がどのような食品因子のセンサーとして機能するかの解明が期待される。
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Journal of Functional Foods
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