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2013 年度 実施状況報告書

プロシアニジンはインクレチン効果を示すか?

研究課題

研究課題/領域番号 25560049
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関神戸大学

研究代表者

芦田 均  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90201889)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード保健機能食品
研究概要

(1)プロシアニジン高含有食品素材によるインクレチン効果の検証:プロシアニジンを多く含有するカカオポリフェノール抽出物をマウスに経口投与し、糖負荷試験を実施し、血糖値低下作用を確認した。また、糖負荷なしで、カカオポリフェノール抽出物がインクレチンホルモンであるGLP-1分泌を促進することとインスリン分泌も同様に促進することを見出した。
(2)プロシアニジンの単離・精製:研究協力者により、プロシアニジンの二量体、三
量体、ならびに四量体を単離・精製することに成功した。
(3)プロシアニジンの化合物レベルにおけるインクレチン効果の検証:上記(2)で得られたプロシアニジンの化合物を用いて、プロシアニジン化合物レベルでのインクレチン効果の検証を上記(1)と同様にマウスを用いた実験を実施した。その結果、プロシアニジンの重合度依存的にインクレチン効果が強まることが明らかとなった。
これらの結果から、プロシアニジンがインクレチン効果を有することが実証できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)プロシアニジン高含有食品素材によるインクレチン効果の検証:プロシアニジンを多く含有するカカオポリフェノール抽出物をマウスに経口投与し、糖負荷試験を実施したところ、血糖値低下作用を確認できた。また、糖負荷なしで、カカオポリフェノール抽出物がインクレチンホルモンであるGLP-1分泌を促進することとインスリン分泌も同様に促進することを見出した。したがって、順調に進展していると判断した。
(2)プロシアニジンの単離・精製:研究協力者により、プロシアニジンの二量体、三
量体、ならびに四量体を単離・精製することに成功したことから、順調に進展していると判断した。
(3)プロシアニジンの化合物レベルにおけるインクレチン効果の検証:上記(2)で得られたプロシアニジンの化合物を用いて、プロシアニジン化合物レベルでのインクレチン効果の検証を上記(1)と同様にマウスを用いた実験を実施した。その結果、プロシアニジンの重合度依存的にインクレチン効果が強まることが明らかとなった。このことから、当初計画通りに、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、当初の研究計画に従って、プロシアニジンの作用機構解明を行う。すなわち、プロシアニジンがDPP-4 阻害活性があるか否かを検討するとともに、GLP-1シグナルが全身のインスリンの応答組織に影響を及ぼすか否かを検証し、これらの組織を用いて、インクレチン効果を介した血糖値低下に関わる作用機構解明を試みる。
また、腸管の培養L細胞株を導入し、これを用いてプロシアニジンのインクレチン効果に関する作用機構解明の糸口を探る。このことは、当初計画には入れていないが、研究が順調に進展しているため、追加項目として設定する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Cinnamtannin A2, a tetrameric procyanidin, increases GLP-1 and insulin secretion in mice2013

    • 著者名/発表者名
      Yamashita, Y., Okabe, M., Natsume, M. and H. Ashida.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 77 ページ: 888-891

    • DOI

      10.1271/bbb.130095

    • 査読あり
  • [学会発表] カオ由来プロシアニジンによるインクレチン効果を介した血糖調節作用2013

    • 著者名/発表者名
      山下陽子、岡部正明、夏目みどり、芦田均.
    • 学会等名
      第18回日本フードファクター学会学術集会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      20131109-20131110
  • [学会発表] 食品に含まれるポリフェノールの機能性研究2013

    • 著者名/発表者名
      芦田 均.
    • 学会等名
      第5回食品薬学シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20131101-20131102
    • 招待講演
  • [学会発表] カカオポリフェノールの高血糖・肥満抑制効果とその作用機構2013

    • 著者名/発表者名
      山下陽子、芦田均.
    • 学会等名
      第5回食品薬学シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20131101-20131102
  • [学会発表] Prevention mechanism of glucose intolerance and obesity by cacao liquor procyanidin extract2013

    • 著者名/発表者名
      ASHIDA H., YAMASHITA Y., OKABE M., NATSUME M.
    • 学会等名
      The IUNS 20th International Congress of Nutrition (ICN2013)
    • 発表場所
      Granada, Spain
    • 年月日
      20130915-20130915
  • [学会発表] 重合度の異なるカカオ由来プロシアニジンが筋肉細胞でGLUT4膜移行を介したグルコース取り込みにおよぼす効果2013

    • 著者名/発表者名
      山下陽子、岡部正明、夏目みどり、芦田均.
    • 学会等名
      第60回日本食品科学工学会
    • 発表場所
      実践女子大学
    • 年月日
      20130829-20130831
  • [学会発表] プロシアニジンのインクレチン効果を介した食後高血糖調節作用2013

    • 著者名/発表者名
      山下陽子、岡部正明、夏目みどり、芦田均.
    • 学会等名
      第67回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20130524-20130526
  • [学会発表] プロシアニジンによる血糖値上昇抑制効果とその作用機構解明

    • 著者名/発表者名
      山下陽子、岡部正明、夏目みどり、芦田均.
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会第52回近畿支部大会
    • 発表場所
      滋賀県立大学

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公開日: 2015-05-28  

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