研究課題/領域番号 |
25560052
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
山本 浩範 仁愛大学, 人間生活学部, 准教授 (60314861)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腸管トランスポーター / 保健機能食品 |
研究概要 |
肥満・糖尿、腎不全や肝疾患などの生活習慣病においては腸管機能を考慮した栄養治療法の開発が重要と考えられる。しかしながら、疾患時の腸管消化吸収機能および栄養素の腸管感受性の変動に関する詳細は不明である。これまでに我々は、腎不全時のミネラル代謝異常を栄養生化学的に解析し、腸管トランスポーター遺伝子の栄養素代謝への関与について研究してきた。そこで本研究では、腸管トランスポーターを分子標的とした疾患特異的な保健機能食品(特定保健用食品)の開発基盤の確立を目的とした。はじめに、生活習慣病モデルにおけるメタボロミクス解析および疾患特異的にセンシングする腸管トランスポーターの同定を試みた。論文報告に従い、アデニン誘導性腎不全モデルおよび5/6腎摘出腎不全モデルを作成、また、糖尿病ラットを作成飼育し、血中、尿中の生化学検査により病態解析を行った。正常および疾患動物の腸管粘膜組織より全RNAを抽出し、本学の総合支援研究センターの協力を得てDNAマイクロチップ(Affymetrix社)を用いトランスクリプトーム解析を行い、さらにパスウエイ解析、Gene Ontology解析を行い栄養代謝に重要な変動遺伝子群を同定した。また、腸管cDNAを用いて定量的PCRにより抽出された遺伝子の変動を再確認した。その結果、栄養素の輸送や代謝に関わる遺伝子SLC family、Channel familyおよび代謝酵素およびビタミンD代謝関連遺伝子の変動が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、代表者が研究機関を移動したため機器の購入や必要試料の入手に手間取り、さらに人的確保がむずかしかったために、やや遅れてている。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、腸管トランスポーターを考慮した保健機能食品の開発戦略として栄養吸収効率を調節する栄養因子や阻害因子のスクリーニングを実施する。初年度に構築した腸管トランスポーター遺伝子の発現機能情報データベースをもとに、同定した疾患時に有意に変動するSLC family、Channel family遺伝子を腸管上皮系細胞株(Caco-2, IEC-6)に発現させ、細胞取り込み試験を96 well培養プレートを用いハイスループット解析により行う。さらに、候補となった栄養素材食品や薬剤、ホルモンなどは腎不全モデル動物を用いて治療の有効性や安全性について評価する。また、動物投与試験により栄養因子や薬剤の腸管応答性を腸管遺伝子データベースとの比較により検討し、生化学検査データと合わせて治療効果の評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度は、代表者が研究機関を移動したため研究環境のセットアップや必要試料の入手に時間がかかり、さらに人的確保が難しかったために、次年度使用額が生じた。 次年度の使用計画として、徳島大学と福井大学との連携により本研究課題の遂行を推進する。平成26年度は、同定した遺伝子群を標的として薬剤および食品成分のスクリーニング解析を行うため腸管上皮細胞株Caco-2およびIEC6細胞を用いたハイスループット解析に細胞関連試薬および動物試験、飼育費、生化学検査、分子生物学試薬を必要とする。また、国内外での学会で成果を発表するとともに、関連分野の研究動向を調査するための旅費などの経費および論文として成果を報告するに必要な経費を計上する。
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