本研究では、腸管トランスポーターを分子標的とした疾患特異的な保健機能食品(特定保健用食品)の開発を目的として、腎不全時または糖尿病時の腸管変動遺伝子の網羅的解析により、腸管における鉄、亜鉛、カルシム、ペプチド・アミノ酸などの栄養素の吸収に関与するトランスポーター遺伝子の発現データベースを作成した。また、疾病予防または治療の標的となる疾患特異的な栄養素センサー遺伝子群の同定として、いくつかの核内受容体や時計遺伝子を見出した。さらに、腎不全時における食事性リンの制限が、血管石灰化の予防だけでなく、腸管の鉄のトランスポーター遺伝子の発現を制御し、腎性貧血の改善に寄与することを見出した。
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