がん診断を目的として、非侵襲的なヒト爪中のポリアミン9種類の一斉分析法、ジアセチルポリアミンの高感度定量法及び2-Hydroxy butyrate (HB)、Asp、Cysの光学異性体一斉分析法を確立した。健常人と肺癌患者の爪中定量値を比較した結果、SPMでは肺癌患者の方が健常人より有意 (p < 0.05)に高かった。また、大腸癌患者の爪からはHB、Asp、Cysを初めて検出することができ、HB 、Aspにおいて、大腸癌患者は健常者より高い定量値が示され、大腸癌患者に増加傾向が示された。以上の結果より、非侵襲的なヒト爪分析はがんの病状診断の一手段となる可能性が示唆された。
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