本課題は、様々な食生活因子が老化速度に与える影響について明らかにするため、マウス加齢性難聴(聴力の老化)を指標とした評価系を確立し、実際に評価を行うことを目指した。コントロール食を与えたマウスの聴力測定結果から、この評価系が3~6ヶ月程度の試験期間で充分に機能しうることが示された。カフェイン、アルコール、人工甘味料については、6ヶ月間の摂取によっても加齢性難聴の進行に影響を与えなかったが、高脂肪食は加齢性難聴の進行をある程度抑制することが明らかとなった。また、3ヶ月間にわたる食事パターンの変化や、味覚受容体であるTas1R3遺伝子の欠失は、加齢性難聴の進行に影響を与えないことが明らかとなった。
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