研究課題/領域番号 |
25560084
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中山 迅 宮崎大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90237470)
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研究分担者 |
奥村 高明 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80413904)
大石 和江 東京理科大学, 近代科学資料館, 学芸員 (80646430)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 科学コミュニケーション / ミュージアム展示 / 発問 / 科学的思考 / 美術館鑑賞教育 / 科学系博物館 / 自然系博物館 |
研究概要 |
ミュージアム展示を学校教育で活用して科学的な仕事の場にすることの可能性について,東京理科大学近代科学資料館で研究打合せ会議を実施し,宮崎市科学技術館,宮崎県総合博物館の学芸担当者を交えて研究協議を実施した。美術館鑑賞教育の理論的枠組みを,科学系・自然系博物館の担当者が共有し,その観点を用いて,それぞれの館においてどんな取り組みが可能であるかについて検討した。 その取り組みの一環として,宮崎市科学技術館においては,「ものしりクイズラリー」と題する取り組みによって,学校と科学館が連携するための問いを用いた活動について試行し,日本科学教育学会研究会で報告した。 博物館や美術館の展示物を,科学的思考の場とする取り組みのありかたについて,根本的な部分について検討するため,テート美術館の「美術館鑑賞教育」の理論を美術教育担当者,科学系博物館学芸担当者,科学教育研究者がそれぞれの立場から検討し,実際にロンドンのテート美術館,ロンドン自然史博物館,ロンドン科学博物館を訪問し,3者が共通の展示物に対する解釈と活用法を協議し合った。そして,「対象」「主題」「文脈」の3つの視点で,自然系・科学系博物館の展示についての「問い」を構成する方針を確認した。それらに基づいて,東京理科大学近代科学資料館の展示物を複数回にわたって現地で検討し,利用可能な問いの系列の案を試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
美術教育研究者,科学教育研究者,科学館・博物館学芸担当者が会議を行って,美術館鑑賞教育の理論を用いて博物館の展示物を対象とした発問構成のあり方についての検討を実施した。そして,その検討に基づいた宮崎市科学技術館における試行的な取り組みを学会で発表し,実際に美術館や博物館の展示物を対象とした発問構成のあり方について,科学と美術の研究者の視点を融合して検討を行っており,次年度への挑戦的な取り組みの計画が具体化しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
東京理科大学近代科学資料館の展示物を対象として,初年度に検討して作成した発問系列の有効性について,2年目は大学生や中・高校生を対象として試行的な実施を行う。同時に,宮崎市科学技術館や宮崎県総合博物館において,同様の試行的な取り組みを実施する。 また,日本科学教育学会において,これまで成果を発表すると同時に,ミュージアム展示を対象として,アートとサイエンスの視点を融合した活用のあり方について発表するセッションを申し込んで成果や課題を発表するとともに,参加者を交えてさらに発展的な方策について検討を深める。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に使用した記録媒体や教材の価格が若干安くすんだので,次年度の使用額とした。 会議録の記録媒体や教材のための費用として利用する。
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