研究課題/領域番号 |
25560086
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 埼玉工業大学 |
研究代表者 |
石原 敦 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50245247)
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研究分担者 |
中原 真也 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (20315112)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ハイブリッドロケット / ロケット / ペットボトル / モデルロケット / 教材 |
研究概要 |
初年度となる本年度は、ペットボトルを用いた簡便で安全な教材用小型ハイブリッド・ロケットシステムを提案するために、次のことを明らかにした。 酸素タンク部、酸素ノズル部、燃料部、燃焼器そしてスロート部から構成されるハイブリッド・ロケットの試作を試みた。ここでは、酸素タンクには1Lのペットボトル模擬した鋼鉄製タンク、燃料には外径20mmのポリエチレン樹脂の丸棒を使用し、さらに酸素タンク圧力および燃焼圧力を計測できるハイブリッド・ロケット燃焼装置を製作した。またロケットの始動や性能を左右する着火装置の試作を、簡便性、着実性、そして安全性に注視し行った。その結果、まず試作した着火装置により、燃焼の開始が可能な点火条件を明らかにすることができた。また、燃料の内径および長さを10mmと150mm程度とし、酸素タンク圧を0.5MPa程度とし燃焼実験を実施し、平均推力で1.5 N以上発生することが推測できた。さらに、燃料の寸法などが燃焼圧力履歴や総推力に与える影響についても検討を行った。以上の予備的な実験から、安全に作動可能な小型ハイブリッド・ロケットを試作・提案できた。 一方、並行して安全な酸素タンクとして利用するペットボトルの耐圧試験を実施した。その結果、炭酸水用ペットボトルの耐圧は1MPa以上あり、変更量も少ないことが確認できた。なお、果樹系ペットボトルの耐圧が他に比べて著しく低いことも確認ができた。今後のハイブリッド・ロケット用のペットボトルの選定に関して有意義な知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べたように、当初の計画のとおり、ペットボトルを用いた安全に作動可能な教材用小型ハイブリッド・ロケットの燃焼試験法を確立し、ロケットシステムの基本的な提案ができた。さらに、ペットボトルの耐圧試験法を確立しハイブリッド・ロケットに適したペットボトルの選定基準に関する知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、教材用ハイブリッド・ロケットとして適切な、ペットボトルへの酸素の充填圧やオリフィス径、燃料の材料や形状、およびノズル径等の燃焼室の構造、さらに安全な点火システムの確立を目指す。そこで、前年度に引き続き、対象とするロケット燃料の種類や形状、酸素ガスの流量、スロート径等を変化させ燃焼実験を系統的に実施する。 これら実験結果を基に、ペットボトルを酸化剤タンクとして使用した飛翔型ハイブリッド・ロケットの試作を行い、安全に作動するかに着目し、燃焼試験を実施し、中学校教諭の前でデモンストレーションする。
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次年度の研究費の使用計画 |
他業務の都合により、打ち合わせのための出張を、次年度に延期したため。 本研究を推進するために有意義に使用させて頂きます。適切な時期に、打ち合わせのための出張を行う。
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