技術者倫理の第一原則は、「公衆の安全・健康・福利の最優先」であるが、これまで「福利(well-being)」については、ほとんど検討されてこなかった。一方、ポジティブ心理学などの領域では、well-beingに関する科学的検討が始まり、すでに実証可能な知見が蓄積されつつある。 本研究では、well-beingに関して最も有力な理論であるPERMAモデルに基づき、「公衆の福利」への貢献が技術者自身のwell-beingの維持・向上につながることを示し、伝統的な義務論ではなく、志向倫理的な原則を提案した。また、その教育のための教材・手法を考案・試行し、効果を測定した。
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