研究課題/領域番号 |
25560091
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 苫小牧工業高等専門学校 |
研究代表者 |
栗山 昌樹 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60509917)
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研究分担者 |
渡辺 暁央 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00422650)
小野 真嗣 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10369902)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リモートセンシング / 衛星画像 / 現地調査 / ESD / 高専英語教育 / 国際人材育成 / 教材開発 |
研究概要 |
本研究は、リモートセンシングによる環境動態調査により、高専生が関心のある地域を自ら選択して自律的に解析するとともに、現地調査も合わせて自らの解析結果を評価することができる能力を身に付ける新しいスタイルの教育プログラムを考案することを目的としている。平成25年度は、分析データとなる衛星画像の入手方法の確立、及び現地調査活動としての海外研修事業との組合せ方法の模索について主に従事することとなった。 衛星画像は、アメリカのランドサット衛星の画像データが最も有効で、USGS(U.S. Geological Survey)からデータをインターネットを介してダウンロードした。ここで問題となってくることが、衛星画像を入手するにあたり、高専生が英語で書かれたウェブサイトを自ら理解し、利用登録を行い、必要となるデータのダウンロードを行う一連の行程である。このウェブサイトを利用してアンケート調査により高専生の英語語彙習得度を評価した。研究代表者の勤務校の土木系学科に所属する本科1~5年の高専生を対象に、USGSのウェブサイト利用登録画面の語彙力調査を行った。その結果、学年進行に伴い語彙の理解度は向上しているものの、確実に理解されている語は中学レベルが8割、高校レベルが2割程度しか理解できていない状況が明らかとなった。 一方、リモートセンシングによる画像解析実習と現地調査を行う海外研修との組合せについては、勤務校で実施しているニュージーランド研修に組込む方策を検討した。学生が解析した事項についての疑問点を、現地に居住する教育関係者や市民らからの聞き取り調査により明らかにした。このことは、リモートセンシング実習を海外研修と効果的に組合わせることにより、自然環境などを話題とした異文化・環境保全等の交流が可能であることを示唆しており、海外研修の有効性を高めるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の目的としては,リモートセンシング技術に関する知識の共有および土木系高専生の英語力に関する問題意識を,専門教員と英語教員で共有することである.リモートセンシング技術については,英語教員が専門教員とともに,リモートセンシングに関する実習講演会に参加することにより達成した.また,学生の英語力に関する問題意識の共有化には,本校の土木系学科高専生について,1~5年生の全ての学生に単語理解度アンケートを実施することにより,英語理解度に関する問題意識を得た. また,当初計画は,次年度以降に実施する予定であったリモートセンシングによる環境調査と海外研修との組合せの可能性について,予備的検討を実施することができた.ここで,問題となってきた事柄が,未知の地域について学生が自由にリモートセンシング技術による環境動態調査を実施するためには,当該技術に関する幅広い知識の講義の必要性である.これに基づいて,より実用的な講義プログラムの試行を行うことが可能といえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方法としては,単語理解度調査の結果を分析し,高専生が理解できていない単語の種類等を検討し,原因を明らかにする.これを踏まえて,USGSのホームページを理解するための英語補助教材の試案を作成する. また,リモートセンシングに関する知識を学生に講義する手法について検討し,学生が幅広い視点で,衛星データを解析するする手法について考案する. さらに,本校で実施しているニュージーランド研修に参加する学生から,本研究に協力する学生を選抜して,教育プログラムの試案を実施し,海外研修と専門教育の融合を実施する上での課題を明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
代表者および分担者の双方が知識の共有として3月に環境教育学会への参加を計画していたが,校務上の都合により急遽参加を取りやめたため,旅費として使用を予定していた額が次年度使用額として発生した. 次年度の使用計画としては,前年度参加を見送った学会に参加して,環境教育に関する最新の情報について,研究者間で共有することとする.
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