昨年度は、回路解析に修正接点解析法、電磁界解析についてFinite-difference time-domain(FDTD)法を使い、結合部には電流源法を用いて、モデル化した電磁界解析結果を回路解析に組み込む形の複合シミュレータを作成した。使用言語として、数値解析が得意なMATLABを使用した。 今年度は、昨年度の結果を踏まえて、より教育に適用しやすくするためグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の設計・開発を行い、MATLABのGUIDE機能を使用して実現した。合わせて、解析物体の厚さや幅、間隔等の解析物の条件やメッシュの大きさやPerfect Matching Layer(PML)層の厚さなどを任意に変更できるように改良した。合わせて、ユーザーインターフェースの改良として、回路設計ソフトTINA(DesignSoft社)で作成した回路図を活用できるよう、TINAでエクスポートしたネットリストファイルを提案するソフトウェアに読み込んで解析できるように改良を行った。 解析結果について、Agilent社の3次元電磁界解析ソフトウェアEMProによりシミュレーション精度の確認を行い、十分な精度であることを確認した。 一般の配布を検討するにあたり、MATLABのエクスポート機能を利用し、無料で配布できるJava形式への変換を行い、動作確認を行った。 授業に適用できるまでの開発を行うことができなかったが、学会等で一般の意見をヒアリングし、速度やGUIなどに改良の余地はあるものの好評を得た。
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