研究課題/領域番号 |
25560096
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研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
越地 尚宏 久留米工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (90234749)
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研究分担者 |
馬越 幹男 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (10091357)
森 保仁 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (80243898)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学生実験 / 実験ノート / PBL / 双方向性 / 実験指導 / び注意事項引き継ぎノート |
研究実績の概要 |
学生実験実習科目では、学生の評価は主として「実験レポート」の評価により行われていると思われる。科学技術者の実践を通した育成という点では「実験ノート」の指導は大変重要である。が、その重要性は認識していても、指導にかかる手間や労力の多さやノウハウ不足によりその指導に着手できないのが実情であると推察される。本研究はこの現在手つかず状態の実験ノート指導に着目した萌芽的実践研究である。 目標として(1)実験ノート指導の実情調査(2)記載すべき事柄や書き方を自然に学べ且つ指導側が少ない労力で指導できる手法の確立(3)実験ノートを思考ツールとして活用するノウハウの取得(4)IT化(5)成果の検証、等である。 (1)に関しては、九州地区の全高専の全実験担当者にアンケート調査し、実験ノート指導が殆ど行われていないことを確認した。 (2)に関しては実験の基礎的データを記入する表テンプレートシールを発案、ノートに貼付することでノート記載の書式指導を自然に行うことができた。 (3)は(2)と同様、「気づきや考察の記入欄」シールを用いることで、これらを記載するよう誘導することでPBL的な問題意識を伴った能動的姿勢を涵養できた。さらに実際の実験では各実験チームが毎回ローテーションで実験を行うが、そのチーム間で注意事項やノウハウを引き継ぐ「引き継ぎノート」を発案・運用することで、「受け身的態度で実験を実施」していた実験授業を「目的意識を伴う能動的アクティビティ」に転換できた。これは「紙ベースの情報のクラウド化」とも言え、担当教員の省力化とも併せ、得られた最大の成果である。(4)は電子ノートの運用や実験ノートの電子化等を発案した。 (5)は別項掲載の工業教育国際会議に実際のノートを持参して発表を行い、各国の参加者から前向きなコメントを拝受し、今回の研究内容が世界共通のノウハウたり得ることを確認できた。
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