住民主体の防災学習・防災対策の方法が求められる中,本研究では災害時において互いを思いやる関係が強く現れる家族を対象として,協調学習を通して家族の安全性を最大化する集団的知性の創発性に着目した防災協調学習の方法を検討した.協調学習を通して身に付けるべき事柄を示した学習目標,学習目標を盛り込みながら協調学習を実践するための学習プログラム,協調学習を実践する準備として必要な学習のモデルを提示した.また、実験により、学習者が自身と親の避難行動を考える中で価値観について考えることが,家族の中の自分について考える契機ともなり,家庭防災に対する主観的規範が高まり,家庭防災行動意図が生成される可能性を示した。
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