問題解決と問題生成という双方向の学習活動を相互に結びつけることで,対象領域に対する多角的で,深い理解を導く学習環境を設計,開発した.2つの実践が行われた.プレ,ポスト両作問フェーズの間に,開発された学習環境による双方向学習を実施して,その効果を検討した結果,両実践において,プレからポスト作問フェーズに移行することによって,より複雑な問題が生成されるようになった.さらに,参加者の問題解決能力と本学習環境がもたらす学習成果との関係について議論した結果,実践1では,両者の間に明確な正の相関が認められたものの,実践2では,参加者の問題解決能力は学習成果をもたらすことの前提となっていることを支持した.
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