研究課題/領域番号 |
25560112
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
野村 由司彦 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00228371)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ユーザインタフェース / 教育工学 / 知能機械 / 認知科学 / 教示 / 学習 / 力学的インタフェース / 動作軌跡 |
研究概要 |
本研究は,力と位置の両者が適切にコントロールされて初めて効果を発揮するような運動(以下「力/位置連成動作」とよぶ)の学習の支援を目的として,随意運動レベルの速さの運動における力の入れ方を提示できる「力/位置連成動作を教示する力学的インタフェース」を開発する. 今年度は,まず,「規範力学習のための力学的インタフェース」としてPHANToM-Omniを導入し,これをベースとして,位置/力の計測/提示システムを構築した.すなわち,(1)PHANToM手先位置軌跡を計測できるプログラムを制作した.これを用いて,熟練者や学習者の位置軌跡を測定できるようにした.(2)毛筆に6軸力センサーを組み込み,さらにこれをPHANToM手先に取り付けた電子毛筆を製作した.これからの出力をから手先力が計測でき,もって力軌跡も計測できるプログラムを制作した. 次に,このシステムを用いて,3段階位置/力連成教示方法の一例として,以下のプログラムを制作し,その動作確認を行った.(1)位置軌跡教示モード: 時刻対応なしで,熟練者の位置軌跡に沿うように,PHANToMが学習者の手先を牽引する.(2) 力軌跡教示モード: 時刻対応なしで,学習者の現在位置に最近傍な熟練者位置軌跡点を求め,その地点で熟練者が発揮した力を反力として,学習者に返す.(2) 位置・力連成教示モード:学習者の運動から反力を計算し,これをフィードバックする.学習者は先の(1)(2)で学習した運動と力が再現できるように自ら動作し,もって位置・力連成軌跡を修得する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「規範力学習のための力学的インタフェース」PHANToM-Omniをベースとして,位置/力の計測/提示システムを構築した. さらに,このシステムを用いて,3段階位置/力連成教示方法の一例をプログラムとして実装し,その動作確認を行った.
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今後の研究の推進方策 |
位置軌跡教示,力軌跡教示,位置/力連成軌跡教示のそれぞれについて,効果的な方法を開発する.さらに,それら3種類の教示方法について,効果的な組み合わせ方など,学習戦略についても研究を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
3月下旬に海外出張した.その際の旅費を精算し,残額が確定したのが年度末になったため,わずかながら残額29,719円が残った. 少額であることから,消耗品として使用するよう,計画している.
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