研究課題/領域番号 |
25560121
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
赤倉 貴子 東京理科大学, 工学部, 教授 (80212398)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教育工学 / eテスティング / 個人認証 / 顔認証 |
研究概要 |
本研究は、今後、高等教育機関が社会人のための再教育機関としての役割を担うために必須である「時間的空間的に自由に受験できる非同期型テストシステム(eティスティング)」における「個人認証」を、受験している時間全てにおいて行う「逐次認証」に関する研究である。本研究の目的は、受験者に特別な物理的・心理的負担を強いることなく個人認証を行うことのできる筆記認証と顔認証を組合せたマルチモーダルモデルを提案し、モデルを搭載したシステムを開発することである。具体的には、テスト受験中は問題を読み考える時間とペンで解答を書く時間があることに着目し、筆記認証と顔認証を組合せることで、全ての時間で逐次認証を行うものである。 これまで筆記データをeティスティングでの認証に用いる方法はいくつか提案してきており、本年度もまた、書写技能に着目した認証を新たに提案した。また、本年度は、顔認証がeテスティングで利用できるかどうかを確認することも目指した。高精度な顔認証を行うためには被認証者の協力が不可欠であるが,試験時に特殊な行動を受験者に強いることはできない。そのため、eテスティングにおける顔認証は通常想定される場合よりも精度が低くなる可能性がある。しかし、eテスティングでは、「問題は1画面に1問」であることが多いので、解答状態を「解答記入前」、「解答記入中」、「解答記入後」の3種類に分類し、「解答記入前」においては、受験者は静止して問題を読んでいる可能性が高く、顔認証が行いやすいと考えた。そのことを実験によって確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい筆記認証の方法として、書写技能の転切を利用した方法論を提案することができ、かつeテスティングに顔認証を用いることのできる可能性を示すことができた。本研究の目的は、個人認証を行うことのできる筆記認証と顔認証を組合せたマルチモーダルモデルを提案し、モデルを搭載したテストシステムを開発することであるが、既にマルチモーダルモデルに近いモデルが構築できていることから、研究の完成は近いと考えており、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに提案してきたモデルについて、その精度を高めるために、実験を繰り返し、モデルでの重み付けの最適化をはかり、実際のテストでどの程度の精度が出せるかを検証する。そして、今後、現実の場でeテスティングシステムとしていくためにはどのようにしたらよいかについて検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
端数が出たが、本来購入しようとした文献の方が高価であったので、本年度の購入を見送った。 次年度の予算を足して、今年度末に購入しようとした文献を購入する。余剰分は、次年度の消費税増により、消化される見込みである。
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