研究課題/領域番号 |
25560123
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研究機関 | 南山大学短期大学部 |
研究代表者 |
北村 雅則 南山大学短期大学部, 英語科, 准教授 (50455424)
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研究分担者 |
岩倉 裕子 (大塚裕子) 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10419038)
山口 昌也 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30302920)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 協同学習 / 文章表現 / ディスカッション |
研究実績の概要 |
2015年度春学期には、当初の計画通り、文章表現の授業において実験を行った。具体的な実践内容としては、悪文添削をグループワーク形式で行うという前年度を踏襲したものであり、前年度とは異なる学習者が各々の知識を体系化していく様を分析した。個々の知識をグループの知識として体系化した結果、グループとしての知識の方が悪文添削に対する気づきや精度が上がるという点は、これまでの実践と同様であった。しかし、これまでの実践を通して明らかとなっていた問題として、知識を体系化する過程(グループ内で意見を集約していく討論の過程)が明らかではなく、始点(個々の知識)と終点(グループの知識)を比較するに留まっているというものがあった。教育効果を上げるためには、意見集約の過程を明らかにすることに改善の糸口があると考え、その仮定のもと、秋学期には、悪文添削のような正解が明確に存在する問いに対する意見集約ではなく、ステレオタイプに対する肯定的側面と否定的側面を指摘し、どちらの見方の方がより重要だと考えるという客観的に説得力のある意見形成を目的としてディスカッションを実践した。そして、意見を集約する過程を録音・アノテーションすることで、意見の集約がうまく行えたグループとそうではなかったグループを比較し、その要因を分析した。そこから得られた結果として、意見の集約がうまくいかなかったグループは、そもそも発言の回数が少なく、自分の意見を主張するに留まり、お互いの意見を深化させるという試みが少なかった。それに対して、うまく行ったグループでは、それぞれが意見の内容を確認・集約したり、議論の方向性を提案したりというファシリテーションがうまく機能していることが分かった。
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