本研究では、大学の初年次教育における文章表現教育に協同学習を導入する手法と教育効果を分析した。本研究の目的は、協同学習を行うことで各々の知識がより良い知識へと昇華することを明らかにすることにあり、そのために、(1)学習者が自分の知識を他者に論理的に説明する方法、(2)協同学習前後の知識量の変化、(3)協同学習の過程にあるグループ・ディスカッションの可視化の3点について、授業実践の結果をもとに考察した。また、授業実践の中から派生的に生じた(4)日本語アカデミックライティングにおける規範意識の醸成についても、綴り方に関する書籍や論文等の各種資料と学習者へのアンケートから明らかにした。
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