研究課題/領域番号 |
25560124
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 あえか 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80317289)
|
研究分担者 |
大西 成明 東京造形大学, 造形学部, 教授 (10585996)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 皮膚 / ドレスデン衛生博覧会 / 土肥慶蔵 / ムラージュ(医学標本) / ゲーテ / 伊藤有 / 近代医学史 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、日本国内に残る皮膚科ムラージュを写真担当の研究分担者・大西と調査・記録した。今年度は6月下旬に金沢大学医学部のご許可・ご協力を得て、同学部所蔵のムラージュ全点を詳細に調査する機会に恵まれた。なお代表者は、これまで調査を行った研究機関とも引き続き連絡をとり、成果活用や連携の方法を相互に探っている。 8月には代表者・石原が、ドイツ・ドレスデン衛生博物館(略称DHMD)を拠点に比較的長期の調査を行い、同館のみならず、州立文書館や同州立民族博物館などでも詳細な文書資料収集および学芸員・司書たちとの情報交換を行った。うち民族博物館での1911年のドレスデン国際衛生博覧会(略称DHA)において日本館で展示された6体の「生人形」については保存庫で現存を確認し、その経緯や背景などをまとめ、その一部を専攻紀要で公表した。1911年・1930年の2回にわたるDHAでの日本人皮膚科医たちの関与についても、南山大学との論文集で一部成果を公表した。 DHMD館長より特別に撮影許可を得ることができ、9月上旬に大西が当初予定になかった短期間の渡独・海外撮影を組んだ。DHMD館内撮影また修復工房でのインタビューは大きな意義があったと考える。また2015年2月には益田市秦記念館で、皮膚科関連資料の調査・撮影を行った。 本研究では、特に全く専門分野の異なる研究分担者と画像データ使用のガイドラインから厳密に議論・設定せねばならず、また所蔵機関との辛抱強く交渉しながら信頼を得ていくことが不可欠であった。従って本研究課題の遂行は予想以上に困難を極めたが、同時に複数の大学皮膚科教室から支援を受け、十分な結果を得られたと思う。一連の成果は今後、写真付で学術論文や書籍として順次公表する予定で準備を進めている。
|
備考 |
大西成明:2014年10月19日・20日、「骨格研究会」東京造形大学CS祭特別展示・造形大学展示室(東京都八王子市)の総合ディレクション。研究会メンバーが、動物の遺体からホネを取り出し、骨格標本を制作。その標本をスタジオ撮影した写真展示と、動物のホネの実物標本展示(直接、本研究課題のムラージュとは関連しないが副次的研究成果として)。
|