研究課題/領域番号 |
25560144
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶田 真 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (40336251)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小地域統計 / 国勢調査 / 農業センサス / 地理情報システム / 農村地域 |
研究概要 |
本年度は,本課題の採択に先立って実施した,岩手県久慈市山形町を事例としたパイロットスタディの公刊(梶田 2013)を受けて,同町を含む岩手県北三陸地域(山田町~洋野町)に対象地域を拡大させて作業を進めた. 具体的には,総務省統計図書館が保管している国勢調査の調査区地図をもとに,地理情報システム(GIS)上で調査区/基本単位区の境界データを作成し,各調査年の区域および農業センサスの小地域統計(農業集落カード)の区域との対応関係とこれらの統合的な利用の可能性について検討した.さらに,島嶼地域の事例として島根県隠岐地域でも同様の作業を進めている.分析手順の標準化についてはおおむね目処がたったと考えている.本年度末からは,一部の作業をGISに熟達したアルバイトに委託し,作業のさらなる効率化・標準化を図っており,次年度以降の研究に向けたマニュアルの作成も検討している.さらに,国土縁辺部における小地域統計の各区域には非可住地が多く含まれるため,可住地情報を組み込むことによってより正確な可視化をはかることも試みている. 本年度は,農業集落カードを中心とした農業センサスにおける地域統計の整備過程とその思想の分析も行った(梶田 2014).この作業を通じて明らかになったもっとも重要な点は,農政の立案・運用に資することを主たる目的としている農業センサスでは年次間での比較可能性よりも,その時々の政策課題に対応した情報を収集することが重視されてきたことである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画に記した通りの作業の進展および成果を達成することができたため.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに作業を進めていくことを予定している.また,本研究を通じて開発された手法を用いて,農村地域の戦後動態をめぐるいくつかの論点についての検証作業も手がけていきたいと考えている.
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