過去2年間の分析を通じて,小地域統計および区域データの入手からGISを用いた可視化および比較の手順が概ね確立したことを受けて,対象地域を久慈市山形町を含む岩手県北東部(九戸郡・下閉伊郡(平成の大合併以前における旧13町村))に拡張し,本研究で開発された「切り抜き法」を用いた調査区/基本単位区単位での国勢調査人口の可視化を行うと共に,人口分布変化,および将来予測の分析を行った.あわせて,住宅地図や事業所名鑑等を用いて,1980年時の事業所の立地分析を行い,産業別就業者数の分布と対応付けて考察し,既存の山村あるいは過疎地域における産業や社会変化を扱った既存研究の知見と整合的であることをマクロスケールにおいて確認することができた.この成果は現在,学術雑誌への投稿に向けて準備を進めている.
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